神戸は「パンの街」とよく言われます。実際、老舗ベーカリーから個人店まで、街を歩いているとパン屋に出会う密度がかなり高いです。
では、神戸市の9区の中で、パン屋が多いのはどこなのか。
このページでは、e-Stat(政府統計の総合窓口) の 菓子・パン小売業 の事業所数をもとに、神戸9区を比較しました。総数だけでなく、人口10万人あたりでも見ることで、街のサイズによる差もなるべくならしてあります。
数字で見ると、中央区の強さはもちろん、「パン屋の街」として名前が出ることの少ない兵庫区や灘区が上位に入るのが面白いところです。
結論:神戸でパン屋が多い区ランキング
人口10万人あたりのランキングは、次の通りです。
| 順位 | 区 | 店舗数 | 人口10万人あたり |
|---|---|---|---|
| 1 | 中央区 | 204店 | 138.3店 |
| 2 | 兵庫区 | 64店 | 58.6店 |
| 3 | 灘区 | 73店 | 53.4店 |
| 4 | 長田区 | 43店 | 45.4店 |
| 5 | 東灘区 | 90店 | 42.1店 |
| 6 | 北区 | 76店 | 36.1店 |
| 7 | 垂水区 | 75店 | 34.8店 |
| 8 | 須磨区 | 50店 | 31.5店 |
| 9 | 西区 | 43店 | 18.0店 |
まず目を引くのは、中央区の突出ぶりです。人口10万人あたり138.3店で、2位の兵庫区(58.6店)の約2.4倍。三宮・元町・北野といった中心部にパン屋が密集しているだけでなく、居住人口に対して昼間の通行人・観光客が圧倒的に多いエリアでもあるので、この数字は"住民あたり"というよりも街全体にパン屋が刷り込まれた密度として読む方が実感に近いかもしれません。
総数で見るとどうなる?
総数だけで並べると、順位は少し変わります。
| 順位 | 区 | 店舗数 |
|---|---|---|
| 1 | 中央区 | 204店 |
| 2 | 東灘区 | 90店 |
| 3 | 北区 | 76店 |
| 4 | 垂水区 | 75店 |
| 5 | 灘区 | 73店 |
| 6 | 兵庫区 | 64店 |
| 7 | 須磨区 | 50店 |
| 8 | 長田区 | 43店 |
| 9 | 西区 | 43店 |
ここで面白いのは、東灘区が総数では2位なことです。東灘区は人口も多いので、密度で見ると5位ですが、絶対数ではかなりパン屋が集まっています。
つまり、
- パン屋の選択肢が多いエリアを見たいなら総数
- 街の中でパン屋に出会いやすいかを見たいなら人口あたり
という見方ができます。
意外な上位:兵庫区と灘区の「生活圏のパン」が強い
人口あたりで兵庫区が2位、灘区が3位というのは、神戸のイメージからすると少し意外かもしれません。
観光地として名前が出ることの少ないエリアでも、日常の中にパン屋が根付いているから上位に入る——それが神戸のパン文化の面白さかもしれません。
神戸の複数区にまたがって店舗を持つ老舗ベーカリーの記事もあわせてどうぞ。
三宮、御影、岡本、六甲道と、中央区・東灘区・灘区をまたいで神戸のパン文化を見渡せます。
東灘区は「総数は多いが、密度では伸び切らない」
東灘区は総数90店で2位。それでも人口あたりでは5位です。
これは、東灘区が神戸の中でも人口規模の大きい住宅エリアだからです。岡本、摂津本山、住吉、御影のように人気の高い生活圏をいくつも抱えていて、パン屋の数自体はかなり多い。一方で区全体の人口も大きいので、密度順位は少し下がります。
「パン屋がたくさんある区」としては十分強いですが、歩いていてパン屋に当たりやすい感じでは中央区ほどではない、という見方ができます。
東灘区で新しいパン屋を探したい人なら、御影のこの新店も気になるはずです。
御影エリアの新しいベーカリー。東灘区は総数でも上位で、新店を探す楽しみも大きい区です。
垂水区は「密度7位、でも個性派ぞろい」
密度ランキングでは7位の垂水区ですが、総数では75店と北区・灘区に並ぶ水準です。
この記事のヘッダー写真に使っているのも、垂水区のベーカリー BREADMAN。国産小麦のみを使い、機械を使わず手ごねで仕上げる高加水チャバタで知られる個性派で、インスタグラムのフォロワーは1.2万人を超えます。明石にも店舗を構え、地域を越えて支持されているお店です。
同じく垂水区(星陵台)に実店舗を持つ RAGI も面白い存在です。インドネシア出身の店主が焼くサワードウが看板で、各地のマルシェやイベントにも出店。見かけたら迷わず手を伸ばしたいパン屋です。
密度ランキングでは7位でも、こういった個性派が根付いているのが垂水区の面白さです。
RAGIをはじめ、神戸のパン好きが集まるマルシェの様子はこちらの記事でも読めます。
このデータで分かること・分からないこと
このランキングで見えてくるのは、神戸9区のパン屋の"量"の違いです。
一方で、次のようなことはデータからは読み取れません。
- 人気店・行列店が多いのはどの区か
- ハード系が強いのか、昔ながらのふんわりパンが多いのか
- 新店が増えているのか、老舗が長く愛されているのか
言い換えれば、"数字で見える神戸"と"歩いて感じる神戸"は少し違う、ということでもあります。このランキングは、「明日は兵庫区で知らないパン屋を探してみよう」そんな街歩きの入口として使うのがちょうどよさそうです。
神戸9区の比較をもっと見たい人へ
パン屋だけでなく、喫茶店、飲食店、酒場、酒類製造なども含めて神戸9区を見比べたい人は、比較ページもどうぞ。
データの出典
- 菓子・パン小売業 の事業所数: 令和3年経済センサス
- 人口: 令和2年国勢調査
- 取得元: e-Stat API
e-Statは、国や自治体の統計をまとめて公開している政府の公式サイトです。
今回のランキングでは、神戸市9区の 菓子・パン小売業 を比較しています。厳密には「パン専門店」だけでなく、菓子店を含む分類なので、その点は前提として見てください。
なお、使用しているのは 令和3年(2021年) のデータです。神戸のベーカリーシーンはその後も活発で、実際の店舗数はさらに増えている可能性があります。次の経済センサスのデータが出たとき、順位がどう変わっているか——それもまた楽しみです。








