捨てるところはない。神戸・二宮『蔬菜-sosai-』の炭火焼き野菜に宿る、生産者の想いと職人のこだわり。

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捨てるところはない。神戸・二宮『蔬菜-sosai-』の炭火焼き野菜に宿る、生産者の想いと職人のこだわり。

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神戸・二宮にオープンした炭火野菜料理店「蔬菜-sosai-(ソサイ)」。無農薬・有機野菜を丸ごと使う料理と、生産者の想いを届ける店長・米村さんの物語。

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神戸肉料理 すぎたに — 炭火グリルの神戸牛
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神戸牛おまかせコース
神戸肉料理 すぎたに
三宮 カウンター7席 ¥13,800

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神戸・二宮の炭火野菜料理店「蔬菜-sosai-(ソサイ)」外観

「蔬菜(そさい)」とは古く、人の手で丹精込めて育てた野菜を指す言葉。自生する野草とは違う、誰かが土と向き合って作ったもの。その言葉を店名に選んだ理由が、ここで出てくる料理を食べるとわかります。

野菜を、丸ごと全部使う。

端材も、葉っぱも。切って捨てていた部分が、スープになり、ソースになる。炭の香りをまとった野菜が、一皿のメインとしてテーブルに運ばれてくる。

「野菜ってまだ安いっていう印象がついてたりする。でも、ちゃんと栄養があって、これから当たり前に食べれなくなるかもしれない。大切に食べていきましょうっていう本質的な部分をお客さんに伝えられたらなと思って」

カウンター越しに、店長の米村さんがそう話します。

神戸・二宮「蔬菜-sosai-(ソサイ)」カウンター越しに見える炭火と米村さん

IとYOUだけで、カナダへ。

16歳から建築の現場で働いていた米村さんが、飲食の世界に飛び込んだのは22、23歳の頃。母親が飲食の仕事をしていて、ずっとその背中を見ていた。それが体に染み込んでいた、と言います。

割烹で2年ほど働いたあと、カナダへ渡りました。英語は、IとYOUくらいしか話せなかった。

「大根どこで買うの、っていう英語も喋れない状態で行ったんで」

飛び込んだのは170人収容の日本食レストラン。料理を教える代わりに、英語を教えてくれ──そんな取引で言葉を覚えながら、レストランの運営に携わりました。

でも、そこで目の当たりにしたのは、日本の料理の現場との根本的な違いでした。まな板を肉・魚・野菜で分けること。包丁の使い分け。日本では当たり前のことが、そこでは当たり前じゃなかった。

「どこかオープンしたらお客さん来るよね、っていうようなニュアンスだったり。僕がちょっと合わなくて、結果として、首になりました」

でも縁あって別の日本食レストランで雇ってもらい、ビザも出してもらいながら2年間カナダで働き続けました。

蔬菜-sosai-(ソサイ)米村さんの料理人としての原点、割烹での包丁仕事

商売道具なら、使わんとってくれ

帰国後、系列店のスタンドCOBEや饗コイノボリで経験を積んだ米村さんは、蔬菜-sosai-のオープンに向けて動き始めます。どこへ行けばいいかも分からないまま、行き当たりばったりで農家を訪ね歩いた。紹介の連鎖でようやくたどり着いたのが、「ヘルシーママSUN」さんでした。

「今は息子さんに代替わりしていますが、そこのママさんがすごい人で幼稚園や小学校を回って演説をしたり、皇居で表彰を受けたこともある人。今の人だったら落ちたものも食べたらあかんて言うけど、土払ったら食べたらええねん、菌も体の中で生きていくよていうのを演説したり。そんな話を聞けたりして、いい経験になりました。」

ヘルシーママSUNさんのところで、こう聞かれました。

「最終目標何や、って。何でうちの野菜使うの?ただ商売として使われたら使わんとってくれ、みたいな感じで」

そこで米村さんが話したのは、届きにくい生産者の思いを消費者に伝えたいという想い。

「想いが一致した、ってところで使ってくれって。生産者の想いを、僕らが伝えてくれることが一番ありがたいって、伝えてくれたところが、楽しいなとかやりがいがあるなって言うところになります。」

兵庫県の農家「ヘルシーママSUN」から仕入れた無農薬・有機野菜

”蔬菜-sosai-”という名前に込めたもの。

店名の「蔬菜(そさい)」は、人が土と向き合い、手をかけて育てたものだけを指す古い言葉です。自生する草とは違う、誰かの意志と労働が宿っている。ロゴに使われているマークは、地図記号の田んぼをモチーフにしています。

「野菜を使ってるんで、それを記号にしたみたいな感じ」

シンプルな言葉ですが、そこには「誰かが育てたものを使っている」という意識が根っこにある。無農薬、有機野菜、国産。できる限りそこにこだわりながら、美味しいものを届けたい、仕入れは兵庫県内の農家を中心に、アスパラなら香川、というように産地にこだわっています。

蔬菜-sosai-(ソサイ)のロゴ・田んぼをモチーフにした店名の由来

震災も乗り越えた建物を、自分たちの手で。

場所は二宮。三宮が東へとシフトしていく流れを見越して選んだ立地です。

1階はカウンター8席ほど。目の前で炭に火が入り、料理が仕上がっていく様子を間近で見ながら飲める。2階にはテーブル席もあり、友人と語り合いたい夜にも使いやすい空間です。

もともとは美容室だった物件。震災も乗り越えてきた建物を、自分たちの手で作り直しました。

「最初はスケルトンでやろうと思っていたんですけど、柱が動くとかもあって、基礎から入れ直したりもしました」

扉の枠組みもすべて削り直し、知り合いに製作を依頼。壁の焼き杉も自分たちで焼いて仕上げています。

「水道も電気も大工仕事も、ほとんどオーナーの同級生たちが手伝ってくれました」

米村さん自身も建築出身。ガラスがはまらなければかんなで削り、動線を考えてレイアウトを組み立てていく。昨年4月に物件を取得し、オープンは2025年12月9日。半年以上にわたり、研修や県外での試食も重ねながら、少しずつ形にしていきました。

「不備があることもあるんですけど、そのぶん趣のある空間にはなっていると思います」

神戸・二宮「蔬菜-sosai-(ソサイ)」焼き杉の壁と手作りの内装

神戸・二宮「蔬菜-sosai-(ソサイ)」2階テーブル席の雰囲気

炭と野菜が織りなす、一皿。

料理は炭焼きが中心です。今回いただいたのは大根を一度炊いてから炭で焼き、そこに自家製の炭油をかけて、香りをまとわせる。

「野菜は脂がないので煙が上がらない。匂いがつかないので、香りづけで自家製の炭油をかけてます」

大根を炭火で焼き上げ、カニとマスカルポーネを合わせたソースをのせる。口に入れると炭の香ばしさと大根の甘みが広がり、そこにチーズとカニのコクが重なる。食べたことのない組み合わせです。そして皿の上には、大根の葉がトッピングされている。切り落として捨てるはずだった部分が、一皿の仕上げになる。

蔬菜-sosai-(ソサイ)炭火焼き大根・カニとマスカルポーネのソース、神戸・二宮

飲食店を、憧れの仕事に。

米村さんにはもう一つ、伝えたいことがあると言います。

「飲食店で働くっていう人がいっぱい増えたらなと思ってます」

働く時間が長い、給料が安い──そんなイメージが定着している。でも、それを差し引いても楽しいことはたくさんある。お金の計算、食材の仕入れ、接客、力仕事。やればやるほど、いろんなことが身につく仕事。

「学べることが集約された職業になってるのかなと。人間的な部分でも何か学べることがあるのかなと思ってます」

お店だけじゃなく、このエリア一体を盛り上げたいという気持ちもある。3月22日に開催予定の飲み歩きイベント「Vamos 二宮」もその一つ。飲食店イコールブラックなイメージを変えていく、そのきっかけ作りになれたらと米村さんは話します。

野菜が、主役になる夜。

二宮の路地に、ひっそりと佇むこの場所。炭の香りが漂い、カウンターの向こうでは野菜が丁寧に火を入れられていく。

丁寧に火入れされた野菜や料理を通して、生産者の思いも伝える。米村さんが蒔いた種は、芽吹き、神戸という地で根を張りはじめている。

蔬菜-sosai-(ソサイ)店長・米村さん、神戸・二宮の炭火野菜料理店にて


蔬菜-sosai-

  • 📍 兵庫県神戸市中央区二宮町3-2-7
  • 🚃 JR三ノ宮駅・神戸市営地下鉄三宮駅より徒歩6分 / 阪急・阪神電鉄神戸三宮駅より徒歩8分
  • ⏰ 営業時間: 火〜日 17:00〜23:00(L.O. 22:30)
  • 🗓 定休日: 月曜日

蔬菜-sosai-(食べログ)

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K

Author

KOBE Brighten編集部

神戸の街・店・景色を、実際に歩いて取材しながら記録しています。

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