コウベの知らない世界#02|止まらない20秒、溢れる情熱。神戸の夜を熱くする「400秒の世界」

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コウベの知らない世界#02|止まらない20秒、溢れる情熱。神戸の夜を熱くする「400秒の世界」

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止めることも、戻ることもできない。cafe&bar 現在地 神戸で開催された「第2回ペチャクチャナイト神戸」へ。20枚のスライドが紡ぎ出すのは、完璧さよりも熱い、登壇者たちの400秒。緊張が熱狂に変わる瞬間を届けます。

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止まらない20秒の先へ

「コウベの知らない世界」は、神戸で行われている面白い活動や、自分自身がまだ出会っていなかった世界を訪ねていきます。

静寂の苔から、熱狂の夜へ——

PechaKucha Night 神戸 主催者

前回、長田の「olmo+」で出会ったのは、 ガラスの中に凝縮された小さな自然の世界 でした。 今回訪れたのは、一夜限りのプレゼンテーションイベント。普段とは違う雰囲気に包まれた空間で、緊張は熱狂に変わっていきました。

世界1,300都市以上で開催されている「PechaKucha Night(ペチャクチャナイト)」が、神戸でも行われています。

止めることも、戻ることもできない。与えられる時間は、わずか400秒。

この短さが、人を正直にします。

今回の会場は、神戸駅からほど近い cafe&bar 現在地 神戸

20×20——聞いていて飽きないテンポ感

PechaKucha Nightのルールは、極めてシンプルです。

20枚のスライドを、1枚20秒ずつ自動で進める。合計400秒で、自分の世界を語る。

たったこれだけ。しかし、このシンプルなルールが、不思議な力を持っています。

スライドは容赦なく進みます。言葉に詰まっても、説明が足りなくても、時間は待ってくれません。緊張も相まって練習通りにはいかない。その不自由さが、かえって登壇者の「本音」を引き出すのです。

長すぎる前置きは削ぎ落とされ、余計な装飾は消え去る。時間の制約の中に残るのは、人間味あふれるプレゼンテーション——それがPechaKucha Nightの魅力です。しかも会場では、多くの人がグラスを片手に、その時間を味わっています。

完璧じゃなくていい。プロじゃなくていい。ありのままを、凝縮する。それだけで、誰もが「主役」になれる場所です。

プレゼンテーションの様子

緊張と変容——ある登壇者の400秒

開演前の会場。順番を待つ登壇者たちの中に、一人、明らかに緊張が感じられる人がいました。

エアギターの世界で頂点を極めた経験を持つ、スナニー/Sunaney さんです。

2006年にエアギター大阪予選に参加し始めて、眠っていた何かが目覚め勘違いが始まる。2010年に日本チャンピオンになり世界大会に出場し、19人中9位に終わる。関西を中心にイベントに出演していたが、2016年を最後に退く。2025年エアギタージャパンが20周年で大阪予選を開催、賑やかしのつもりで参戦。予選は第2位で通過し最終日本大会第4位で終える。また眠っていたものが目覚め活動再開し、エアギターの布教活動と共に個人としてのエアネスを磨きあげるために活動中。

深呼吸を繰り返し、不安げな表情でソワソワ。「本当に大丈夫かな」という緊張感が伝わってきます。

やがて出番に。

最初のスライドが映し出され、自動的に進み始める。もう後戻りはできません。

スナニーさんのプレゼンの様子

ところが——

いざ始まると、笑いが起き、拍手が湧く。短い時間の中で、緊張は熱狂に変わっていきました。プレゼンが終わった瞬間、会場は大きな拍手に包まれました。

エアギターも披露。

これが、PechaKucha Nightの魔法です。

完璧なプレゼンテーションを求めているわけではない。流暢な話術が必要なわけでもない。ただ、自分の「好きなこと」「伝えたいこと」を400秒に込める。それだけで、人は動くのです。

緊張していた発表者が、発表を終えた後の表情——それは、何かを成し遂げた人の顔でした。

神戸に集まった、多彩な人々

この夜、登壇したのは、実に多彩な顔ぶれでした。

人間関係や生きづらさをケアするコーチング を語る人。KOBE CREATORS JAM という神戸を盛り上げるイベントの運営者として、街を仕掛ける想いを語る人。カンボジアに恋した図工の先生 が、チャリティへの情熱を語る。現役大学生 が、ユニバーサルファッションをテーマに、次の世代から見た「当たり前」を語る。そして、エアギター元日本チャンピオン まで。

他の登壇者のプレゼンの様子

人間関係、教育、表現、地域——異なる背景を持つ人々が、共通のルールで繋がる。これほど多様で、これほど刺激的な場が、他にあるでしょうか。

実は、PechaKucha Nightは世界共通のフォーマットでありながら、主催者や街によって、集まる人々の色が大きく変わるそうです。

熊本では、医師や行政職員が中心になることもあるそうです。一方、神戸では、クリエイターや表現者が自然と集まる傾向があります。

「面白そうだからやってみよう」

そんな軽やかな動機で参加する人が多いのも、神戸らしさだと主催者は語ります。

神戸という街が持つ、クリエイティブな土壌。港町の開放性、多様な文化が混ざり合う歴史——そんな街の個性が、PechaKucha Nightという場を通じて、浮かび上がってきます。

プレゼンの後に始まる「ペチャクチャ」

全てのプレゼンが終わっても、この夜は終わりません。

むしろここからが、もう一つの楽しみです。ドリンクを片手に、登壇者と観客の境界が溶けていきます。

交流する参加者たちの様子

「さっきのプレゼン、めちゃくちゃ面白かったです」

「実は私も似たようなこと考えてて…」

プレゼンの続き、質問、共感、新しい繋がり——6分強では語り切れなかった想いが、ここで溢れ出します。

PechaKucha Night——この名前は、日本語の「ペチャクチャ」、つまり「お喋り」に由来しています。気軽におしゃべりを楽しむように、リラックスして自分を表現する。プレゼンも、その後の交流も、すべてが「ペチャクチャ」なのです。

この夜の会場は、発信と交流が交わる場所。登壇者も観客も、みな同じ目線で語り合う。それが、PechaKucha Nightという場の魅力です。

小さな枠に、大きな世界を

PechaKucha Night会場全体の様子

前回の「olmo+」で出会った苔テラリウム。小さなガラスの中に、無限の自然を凝縮した世界。

今回のペチャクチャナイト神戸。限られた時間の中に、膨大な情熱と物語が立ち上がる世界。

どちらも「制約の中の創造性」です。小さな枠だからこそ、本質が際立つ。余計なものを削ぎ落とし、本当に大切なものだけが残る。

神戸という街には、面白いことをしている人がたくさんいます。クリエイター、表現者、仕掛け人——そんな人たちが、400秒という小さな枠に想いを込め、登壇する。

一夜限りの熱狂——それは、神戸という街の個性が凝縮された、小さくて大きな世界でした。


ペチャクチャナイト神戸

次回は今回の会場よりも大きい会場を使用して開催を考えているそうです。開催情報、出演者の詳細は、SNSなどでチェックを。

Instagram: @pkn_kobe


これまでの「コウベの知らない世界」

「コウベの知らない世界」では、神戸の隠れた魅力を持つお店や活動を紹介していきます。次回もお楽しみに。


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K

Author

KOBE Brighten編集部

神戸の街・店・景色を、実際に歩いて取材しながら記録しています。

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