JR神戸線で元町から神戸駅へ向かう途中、車窓の北側に巨大なバイカーが現れるようになりました。神戸市中央区北長狭通7丁目、花隈駅近くに建つ「バイカー向けマンション」の外壁全面(幅11.3m×高さ25m)に、ミューラルアートカンパニー 株式会社OVER ALLs が壁画を完成させたと 2026年6月11日 に発表しました。手がけたのは、エスコンフィールドHOKKAIDOのダルビッシュ有・大谷翔平壁画と同じチーム。制作期間はわずか 9日間 です。
描かれているのは「バイカーの秘密基地」
壁画のコンセプトは 「バイカーの秘密基地」。ビルの足元から屋上近くまで、モノクロームのバイカーがバイクにまたがる姿が一枚絵で描かれ、ヘルメットのシールドには 神戸の夜景 が映り込む仕掛けになっています。画材はペンキとスプレーで、バイカーの持つ自由で力強い魅力と、パーツや装備を自分仕様にカスタマイズしていく楽しさを表現したといいます。

エントランス(幅4.7m×高さ3.2m)の仕掛けが面白く、出入口そのものが黄色いフルフェイスヘルメットの開いたシールド部分になっていて、住人は毎日「ヘルメットをかぶるように」帰宅することになります。ヘルメット本体には建物名・社名やバイクカルチャーをモチーフにしたステッカーが散りばめられています。

エントランスの内側には、「RIDE TO LIVE, LIVE TO RIDE」 の一文が刻まれた真鍮の鈴が描かれています。欧米のバイカー文化には、魔除けの小さな鈴「ガーディアンベル」を愛車に付けて安全を願う風習があり、それを思わせる絵柄です。集合ポストや消火器の並ぶ日常の空間に、住人の安全を願う鈴がさりげなく同居しています。
「バイカー向けマンション」が生まれた経緯
このマンションを企画したのは 株式会社神戸住宅管理保証 代表取締役の塩釜竜太氏。車を運転中に目の前を走り抜けるバイクを見かけたことが原点で、「バイカーがもっと気持ちよく、自慢できる場所をつくれないか」という発想から、バイカーが 自宅の室内で愛車をカスタマイズし、そのこだわりを誇れる場所 という構想にたどり着いたそうです。壁画は、その建物のコンセプトを外観でそのまま語る役割を担っています。
手がけたのはエスコンフィールドの壁画チーム
制作した OVER ALLs は、企業や街の物語を壁画にするミューラルアートカンパニー。エスコンフィールドHOKKAIDOのダルビッシュ有投手・大谷翔平選手の巨大壁画や、福島県双葉町の「FUTABA Art District」などで知られます。今回は代表の赤澤岳人氏が企画・プロデュースし、メインアーティストは 「ART BATTLE JAPAN 2018」チャンピオン の画家・山本勇気氏が務めました。

兵庫の壁画では、つい先月(2026年5月)にネスタリゾート神戸で万博ルクセンブルク館の基礎コンクリートを使った全長150mの壁画 「THE LOOP」 がお披露目されたばかり。郊外のリゾートと違い、こちらは線路沿いの市街地にいきなり立ち上がった高さ25mの絵です。花隈はもともと飲食店と古いビルが混ざる落ち着いた一角だけに、この一棟だけ空気が変わって見えます。
場所・見に行くなら
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 兵庫県神戸市中央区北長狭通7-1-2 |
| アクセス | 神戸高速線「花隈駅」すぐ/JR神戸線の車窓(元町〜神戸間)からも視認可 |
| 見学 | 外壁のため道路上から鑑賞可(一般公開・見学イベントの案内はなし) |
| 制作 | 株式会社OVER ALLs(メインアーティスト:山本勇気) |
居住者向けの賃貸マンションなので、見に行く場合は敷地の外から。夜景がシールドに「映る」絵なので、日が落ちてから実物の神戸の夜とあわせて眺めるのも一案です——描かれた夜景と本物の夜が、同じ画面に並びます。



