ポートアイランドの中央部に40年間立ってきた、安藤忠雄設計の「旧JUNポートアイランドビル」が解体されます。大東建託が 2026年8月27日 に発表したもので、敷地を取得し、既存の建物を壊して、グループの情報発信拠点を新築します。開業目標は 2030年度 です。
発表の中身
大東建託は東京・豊洲で「ROOFLAG賃貸住宅未来展示場」を運営しています。住まいや暮らし、まちづくり、環境への取り組みといった、グループが目指す未来を見せるための施設です。ポートアイランドの新拠点は、その西日本版にあたります。発表文では「西日本におけるハブ拠点」とし、地域社会との接点をつくる場としての役割も持たせるとしています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2026年8月27日 |
| 場所 | 神戸市中央区港島中町7丁目(旧JUNポートアイランドビルの敷地) |
| 計画 | 既存建物を解体し、大東建託グループの情報発信拠点を新築 |
| 準備開始 | 2026年8月 |
| 開業目標 | 2030年度 |
| 設計・完成イメージ | 未定。決まり次第公開 |
発表文には新施設の規模や着工時期は書かれていません。「具体的な建築デザインや完成イメージを含む新施設の概要について検討を進め、決定次第、適宜、情報を公開していきます」というのが現時点の説明です。
再活用は検討したうえでの解体
発表文で目を引くのは、解体に至った経緯を一段落使って説明している点です。大東建託は、建物の建築的価値と、この場所が育んできた歴史や地域との関わりを理解したうえで、再活用も含めて検討したとしています。そのうえで建物調査と構造検証を重ねた結果、経年劣化の進行、耐震性能や長期的な安全性、将来の維持管理の観点から、解体と新築を決めたと書いています。
安藤建築の解体はこれまでも各地で議論を呼んできました。発表文が「多くの人々に親しまれ、この地の風景の一部として存在してきた歴史への敬意を忘れることなく」と付け加えているのは、その反応を見越したものと読めます。
1985年に建った、アパレル企業の施設
旧JUNポートアイランドビルは 1985年11月 に竣工しました。設計は安藤忠雄建築研究所。発注したのはアパレル企業のJUNで、コンクリート打ち放しの壁面をL字型に配した鉄骨鉄筋コンクリート造、地下1階・地上4階、延床面積は約5,361平方メートルの建物です。オフィス・店舗・倉庫・ホールを備えた企業施設として使われてきました。
竣工から約40年、安藤忠雄の初期作品のひとつが、企業の建て替え判断で姿を消すことになります。
神戸・兵庫で今も見られる安藤忠雄建築
旧JUNポートアイランドビルは解体されますが、安藤忠雄が神戸・兵庫県内に残した建築は他にもあります。
| 建物名 | 所在地 | 竣工年 | 見学 |
|---|---|---|---|
| 兵庫県立美術館 | 神戸市中央区(HAT神戸) | 2002年 | 一般公開。館内に安藤忠雄コーナーの常設展示あり |
| 淡路夢舞台 | 淡路市 | 2000年 | 一般公開。国際会議場・植物館などの複合施設 |
| 本福寺 水御堂 | 淡路市 | 1991年 | 一般公開(寺院)。蓮池の下に本堂が沈む構成 |
| 六甲の集合住宅 I・II・III | 神戸市灘区 | 1983年・1993年・1999年 | 集合住宅のため外観のみ |
| 4×4の家 I・II | 神戸市垂水区 | 2003年・2005年 | 個人住宅のため外観のみ |
このうち兵庫県立美術館・淡路夢舞台・本福寺水御堂は建物の中に入って見られます。六甲の集合住宅と4×4の家は住宅なので、見られるのは外観までです。ポートアイランドのビルが消えたあとも、安藤建築を見て回るなら県内でこれだけの選択肢が残ります。
いつまで見られるか
解体の着手日は公表されていません。準備が2026年8月から始まっているので、猶予は長くないと考えたほうがよさそうです。建物は港島中町7丁目の公道から外観を見ることができます。内部の見学会や公開の案内は、現時点では出ていません。
新施設の建築デザインや完成イメージは、まだ何も決まっていません。決まり次第、大東建託から順次公開される見通しです。









