2026年2月3日、神戸・長田神社で650年続く伝統神事「追儺式(ついなしき)」が執り行われました。 一般的な節分では鬼を追い払いますが、長田神社の鬼は神々のお使いとして災いを祓い清める「善き鬼」。その迫力ある姿と厳かな神事の様子をレポートします。

追儺式とは?一般的な節分とは異なる神事
追儺(ついな)は、通称「おにやらい」「おにおい」と呼ばれ、文武天皇時代より毎年大晦日に宮中、社寺、民間で行われてきた大祓の年中行事です。
元来は大晦日に行われていましたが、太陽暦採用の関係で現在は春の節分に実施。翌日の立春(旧暦では新年)を祝い迎える行事となっています。
長田神社の鬼は「善き鬼」
一般的に、鬼は不吉なもの、災いをもたらすものと嫌われ、豆をまいて追い払う対象です(中国よりもたらされた思想)。
しかし長田神社追儺式の鬼は意味を異にします。
ここでの鬼は神々のお使いとしての鬼であり、神々に代わって全ての災いを払い清め、清々しい良い年を迎えることを祈り踊る存在。東北地方の「なまはげ」「おしらさま」と同じ姿の鬼です。
室町時代から650年、重要無形民俗文化財の神事

この神事の起源ははっきりしていませんが、鬼面、太刀等の製作年代や古文書より、室町時代(約650年前)には既に現況のような形で行われていたことが伺われます。
当初は境内の薬師堂における修正会として行われており、古い形態を今日に伝える貴重な神事として、昭和45年に鬼面並び行事一式が兵庫県の重要無形民俗文化財に指定されました。
2026年2月3日、追儺式レポート
炎と煙に包まれる迫力の鬼

赤鬼が手に持つ松明から立ち上る煙。炎が燃え盛る中、鬼の面は神々しくも恐ろしい存在感を放ちます。
この松明の炎で災いを焼き払い、煙で邪気を祓うとされています。間近で見ると、その迫力に圧倒されます。
厳かな神事の雰囲気

境内には多くの参拝者が集まり、神事を見守ります。鬼が練り歩く姿、太刀を振るう姿、そして祈りを捧げる姿——その一つ一つに650年の歴史の重みを感じます。
一般的な節分のような賑やかさとは異なり、厳粛な雰囲気の中で執り行われる神事。神々のお使いとしての鬼が、参拝者一人ひとりの災いを祓っていくかのようでした。
長田神社について

長田神社は、神戸市長田区に鎮座する歴史ある神社。生田神社、湊川神社と並ぶ神戸を代表する神社の一つです。
毎年2月3日の追儺式のほか、正月には「ちゃんぽん焼き」などの伝統行事も行われ、地元の人々に親しまれています。
アクセス・イベント情報
長田神社
- 住所:兵庫県神戸市長田区長田町3-1-1
- アクセス:
- 神戸市営地下鉄・山陽電鉄「長田駅」から徒歩約5分
- 高速長田駅から徒歩約5分
- 追儺式開催日:毎年2月3日
- 公式サイト: http://nagatajinja.jp/
まとめ
一般的な節分とは一線を画す、長田神社の追儺式。
鬼を追い払うのではなく、神々のお使いとしての鬼が災いを祓い清める——この独特の神事は、室町時代から650年にわたって受け継がれてきた神戸の貴重な文化財です。
炎と煙に包まれた鬼の姿は圧巻。来年の2月3日、ぜひ長田神社を訪れて、この伝統神事を体験してみてください。




