阪神・淡路大震災で中層階が押し潰れた、あの市役所2号館の跡地が動き出します。神戸市役所本庁舎2号館の再整備事業が 2026年6月 に本格着工。地下2階・地上29階、高さ 約135m の複合タワーが 2029年9月 に竣工し、最上部にはヒルトンの最上級ブランド 「コンラッド神戸」 が 2030年 に開業する予定です。コンラッドの兵庫県進出は初めて。三宮の景色を30年以上見てきた建物の跡に、フラワーロード沿いの新しいランドマークが立ち上がります。
計画の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業名 | 神戸市役所本庁舎2号館再整備事業 |
| 所在地 | 神戸市中央区加納町6丁目5番1号 |
| 規模 | 地下2階・地上29階・塔屋1階、高さ約135m |
| 延床面積 | 約77,000㎡ |
| 本格着工 | 2026年6月 |
| 竣工 | 2029年9月(以降順次供用開始) |
| 主な用途 | ホテル(コンラッド神戸)/オフィス/商業施設/市役所機能 |
| 事業者 | オリックス不動産を代表企業とする7社コンソーシアム(阪急阪神不動産、関電不動産開発、大和ハウス工業、芙蓉総合リース、竹中工務店、安田不動産) |
コンラッド神戸——136室、スパ・プール・ボールルームも

ホテル部分に入るコンラッドは、ヒルトンが世界の主要都市で展開するラグジュアリーブランドです。国内では東京・大阪に続く進出で、兵庫県では初。客室は 50㎡中心の136室 と、数を絞った造りです。ラウンジ、レストラン、バー、フィットネス、スパ、プールのほか、約500㎡のボールルームが計画されており、国際会議や格式ある宴席にも対応する設えになります。
立地は三宮駅周辺とウォーターフロントエリアのちょうど中間。発表では「神戸の未来をけん引する交流・創造拠点づくり」に取り組む施設と位置づけられています。
オフィス・商業・市役所機能も一棟に

ホテル以外の中身は次のとおりです。
- オフィス:1フロア約500坪(約1,680㎡)のハイグレードオフィス。最小約45坪から入居でき、オフィスワーカー専用ラウンジを備えます
- 商業施設:地上1・2階と地下1階に飲食・物販・サービス店舗
- 市役所機能:オープンな執務空間に加え、木のぬくもりと緑を活かした市民利用の交流スペース

防災面では中間階免震構造を採用し、浸水に備えて重要設備を上層部に配置。災害時には帰宅困難者などの一時滞在施設機能も想定されています。環境性能はCASBEE神戸Sランク、ZEB-Oriented相当です。
震災で「6階が消えた」庁舎の、30年越しの建て替え
旧2号館は1957年完成の8階建て庁舎でした。1995年1月の阪神・淡路大震災では 6階部分が完全に押し潰れ、上層階が落ちる 被害を受け、倒壊した庁舎の姿は震災報道を象徴する光景のひとつになりました。その後は壊れた上層部を取り除き、5階建てに減築したうえで約四半世紀にわたって使われ続け、再整備のために解体——震災から30年あまりを経て、跡地がようやく次の姿に向かいます。

神戸では近年、ウォーターフロントでジーライオンアリーナ神戸やTOTTEIパークが開業し、三宮駅前でも再整備が進んでいます。その三宮と海側を結ぶフラワーロードの中間点に、外資系ラグジュアリーホテルを核にした135mのタワーが加わる。震災の記憶が刻まれた場所が、市役所機能を残したまま民間主導の複合拠点に変わるという点で、神戸の再開発のなかでも性格の異なるプロジェクトです。
アクセス
各線 三宮駅 から南へ徒歩約6分(フラワーロード沿い)。市営地下鉄海岸線なら三宮・花時計前駅がすぐそばです。



