神戸牛といえば鉄板焼きかステーキ。それは正しい。でも、三宮のカウンター7席ではまったく違う形で提供されている。

神戸肉料理 すぎたには、神戸牛だけを使ったおまかせコース一本の店だ。炙り、ユッケ、春巻き、手巻き、鍋、ちらし寿司。10皿かけてひとつの素材を展開していく。2時間、ただ座っていればいい。
なぜこのコースなのか
オーナーの杉谷壮一郎さんは、海外留学・飲食店勤務・潜水艦と商業船舶の新造修理という異色の経歴を経て、帰国後に留学時代の同級生との再会をきっかけに複数店舗で修業を重ね、この店を開いた。
コンセプトはシンプルだ。「神戸牛を、地元の人にも、他県の人にも、海外の人にも、気軽に食べてもらいたい」。
その工夫は、コースの構成にそのまま表れている。サシが敬遠されがちな和牛に和食を掛け合わせることで食べやすくし、部位ごとに調理法と提供温度を変えることで、10皿食べても重たくならない構成にしている。
神戸肉料理 すぎたに 10皿のながれ
※以下のコース内容は2026年3月23日執筆時点の情報です。内容は変更になる場合があります。神戸牛の炙り 自家製ポン酢の冷菜

コースの口火を切る一皿。炙った神戸牛に、自家製のポン酢をあわせた冷菜仕立て。脂の甘みを酸が引き締め、シンプルな構成で神戸牛の質をそのまま伝える。
鰹と昆布の出汁の卵白とじ 紅ズワイガニ
肉と肉の間に挟む、出汁の一品。卵白を使ったやさしい口当たりで、前後の神戸牛を受け止める役割を担う。
神戸牛炙りユッケ風 卵黄ととろろ添え

サシがほどよく入り、肉質に食べ応えがある部位を選んで使う。和のテイストでまとめ、旨みをストレートに感じさせる皿。卵黄ととろろが絡むことで、濃さのなかにやわらかさが生まれる。
神戸牛すじとごぼうの煮込みの春巻き チーズとカラスミ入り
煮込んだ牛すじをごぼうと合わせ、春巻きの皮で包んで揚げる。チーズのコクとカラスミの塩気が加わり、皮のパリッとした食感とともに口のなかで一気にほどける。
うに・神戸牛・カニの手巻き寿司


とろける神戸牛に、甘くて濃厚な雲丹。さらにカニまで入った贅沢な手巻き。思わずそのまま豪快にかぶりついた。
季節のきのこと味噌仕立ての神戸牛鍋
鰹と昆布でとった一番出汁に神戸牛をくぐらせ、自家製ポン酢で食べる。味噌仕立ての汁が、きのこの香りと合わさって体に染みる。
鰹と昆布出汁の茶碗蒸し 紅ズワイガニ添え
出汁の丁寧さがそのまま出る茶碗蒸し。なめらかで、静かな一品。次の皿に向けて、口をリセットする。
神戸牛のグリル 男爵いも添え

炭火でじっくり焼き上げる。自家製のタレをつけて食べる、コース中いちばんシンプルな一皿。だからこそ、肉そのものの質が問われる。余計なことをしていない分、神戸牛の良さがそのまま伝わってくる。
神戸牛ちらし寿司 漬物と味噌汁付き


〆はばらちらし。炭火で焼いた神戸牛といくらを、180年前の江戸時代の和食器に盛る。器の古さと、料理の今が同じ皿の上にある。最後の一品まで、手が抜かれていない。
季節のフルーツ
静かに終わる。
2時間で知る、神戸牛の幅
鉄板でもなく、焼肉でもない。10品を通して、神戸牛の幅の広さがよくわかるコースだった。
実際に食べてみて驚いたのは、脂がしつこくないこと。一皿一皿は控えめでも、最後にはしっかり満腹になる。満足感はあるのに重たくない。この構成の良さは、食後にいちばん実感する。
神戸牛をいろんな形で食べてみたい人には、かなり満足度の高い一軒。
店舗情報
- 📍 神戸市中央区雲井通3-4-8 — JR三ノ宮駅・阪神神戸三宮駅より徒歩5分
- 月・水・金:19:00スタート / 火・木:18:00スタート / 土・祝:17:30 または 20:00スタート
- 定休日:日曜
- カウンター7席(完全予約制)
- おまかせコース ¥13,800(税込)
- 毎月15日に翌月分の予約枠を解放
- 予約:
神戸肉料理 すぎたに(食べログ) / TableCheck
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