本物の美味しさを。元パティシエが継ぐ、韓国料理店 | 美豚(BI-TON)

本物の美味しさを。元パティシエが継ぐ、韓国料理店 | 美豚(BI-TON)

本物の美味しさを。元パティシエが継ぐ、韓国料理店 | 美豚(BI-TON)

「今、インスタ映えとか増えてるじゃないですか。別に美味しくなくても流行ってるとか。そういうところには負けたくないっすね」

店主の全(ぜん)さんがまっすぐな目で語ります。

派手な店構え、インフルエンサーを呼んでのプロモーション──。今の時代、そういうやり方で一気にバズる店も少なくありません。でも、この店は違う。

神戸・三宮の雲井通、JR三ノ宮駅から徒歩5分の場所にある「美豚(BI-TON)」。元パティシエの店主が、母と共に家族の味を守り、朝はドーナツ店、夜は韓国料理店という二刀流に挑んでいます。

焼肉店、立ち飲み屋、そして韓国料理店へ

美豚の歴史は、全さんの父が20年営んでいた焼肉店から始まります。その後、この場所で立ち飲み屋を開業。当時学生だった全さんは、アルバイトとして店を手伝っていました。

その後、夢を追いかけて大阪へ。有名店でパティシエとして腕を磨きます。

独立を考えていた矢先、コロナ禍が訪れます。神戸に帰郷したタイミングで、店の構成が変わりました。隣の物件が空き、父が営む『standingbar ZEN』を隣へ移転し、母がこの場所で美豚を始めます。

全さんは母を手伝いながら、家族の味を学んでいきました。今も母が仕込みとタレ作りを担当し、全さんが調理と接客を担う。母と息子、二人三脚で店を切り盛りしています。

朝はドーナツ、夜は韓国料理

そして2年後、全さんは新たな挑戦を始めます。朝はドーナツ店「コレ・ド・ナッツ」、夜は韓国料理店「美豚」という、二刀流です。

「朝はそっち(ドーナツ店)行って、夜こっち(美豚)やって」

ドーナツの仕込みから始まり、夜は美豚へ移動。ハードですよね?と聞くと

「気合いっす。まだギリ20代なので」と笑う全さん。

ドーナツ店では、生地の配合や発酵時間を何度も試行錯誤し、ふわもち食感の生ドーナツを完成させました。オープン日には300個が1時間半で完売するなど、スタートから大きな反響を呼びました。

母が仕込む、家族のキムチ

美豚のキムチは、母の手作りです。

「母がキムチも全部作ってて」

タレもソースも、キムチも、すべて母が仕込む。

「家庭の味をちょっとアレンジして、日本にも馴染むように」

韓国の味をそのまま出すのではなく、日本人の口にも合うように。母と息子で丁寧にバランスを調整しています。

厚さ2cm、九州産の厳選豚肉

美豚の看板メニューは、サムギョプサル。

「ここ食べたら他食べれへん」

お客さんによく言われるという全さん。その自信の源は、肉の厚さと柔らかさにあります。

使用しているのは九州産の豚肉。厚さは約2cm。いろいろな業者を回り、試食を重ね、ようやく見つけた肉です。

「めっちゃ言われるっすね。肉めっちゃいいって」

分厚く切った豚肉を、熱々の鉄板で焼く。じっくりと火を通すと、外はカリッと香ばしく、中はジューシー。そこに母が作る秘伝のタレをつけて、野菜と一緒に頬張る。

特に人気なのが、ニンニクマヨネーズ。

「ニンニクマヨネーズが絶大な人気です」

甘辛いタレとニンニクマヨネーズの組み合わせが、サムギョプサルの旨みを何倍にも引き立てます。

揚げたてのチキン、しっとりと仕立てたポッサム

美豚の夜を彩るメニューは、サムギョプサルだけではありません。

まずは、揚げたてのヤンニョムチキンとハニーマスタードチキン。

カラッと揚がった鶏肉に、甘辛いソースをたっぷりと。外はカリッと、中は肉汁あふれるジューシーさ。

そして、揚げ物とは対照的な食感を楽しめるのが「ポッサム」。皮付きの豚肉をじっくりと茹で上げた一皿です。

特筆すべきは、その「しっとり」とした食感。噛むほどに肉の旨みが広がります。

そして、元パティシエの全さんの手による盛り付けは、どの皿も丁寧で美しい。色合いのバランスや配置の気持ちよさに、甘い菓子の世界で培った審美眼がのぞきます。

カリッとしたチキンの刺激と、優しくも深い茹で豚の旨み。どちらも捨てがたい、美豚の夜を彩る名脇役たちです。

アスリートも認める本物の味

美豚には、様々なスポーツ選手も通います。

「李 承信(り すんしん)の兄貴が同級生で、その繋がりで」

日本代表ラグビー選手、サッカー選手、ゴルフ選手──体を資本とするアスリートたちが、美豚の肉を求めてやってくる。

「ラグビーの選手はめっちゃ食べますね。でかいです」

そう笑う全さん。厚切りのサムギョプサル、ボリューム満点のチキン──。プロの舌を持つアスリートたちが、美豚の味を認めています。

変わりゆく神戸で

standingbar ZENの店内

「神戸もやっぱり人少なくなってきてるんで、大阪とかと全然違うじゃないですか」

全さんが学生の頃と比べても、神戸の繁華街は明らかに変わりました。

「昔もっと多かったんで。東門とかにも、もっとキャッチおったっすもん。歩けへんぐらいおったのに、今チャリとかで通れるんで」

人が減り、店が減り、街の活気が失われていく。そんな中で、今の時代はSNSでバズることが成功の近道だと言われます。

「店が派手なところもあるんですけど、やり方がうまい。インスタグラマー呼んでバーンってバズって。今のやり方なんですけどね」

でも、全さんはそのやり方を選びません。

手作りの味、厳選した食材、母と共に守るレシピ──。地道に、丁寧に。朝はドーナツ、夜は韓国料理。20代の若さで、二つの店を切り盛りします。

一口で、違いがわかる

「そうですね、一回食べてみて欲しいですね。違いがわかるんで」

派手な内装でも、インフルエンサーを呼ぶわけでもない。でも、本物の味を求めて通い詰める人たちがいる。

その理由は、一口食べればわかる。手作りのキムチ、九州産の厚切り豚肉、カリッとジューシーなチキン、母が作る秘伝のタレとソース。

「違いがわかる」──その言葉には、試行錯誤を重ねてきた日々、自信を持って選び抜いた素材への誇りがこもっていました。


美豚(BI-TON)

  • 📍 兵庫県神戸市中央区雲井通3-7-11
  • 🚃 JR三ノ宮駅より徒歩5分
  • ⏰ 営業時間: 17:30-23:00
  • 🗓 定休日: 火曜日
  • 📱 Instagram: @bi_ton

美豚(食べログ)

姉妹店:Co les DONUT(コレ・ド・ナッツ)

  • 📍 兵庫県神戸市中央区日暮通5-2-18
  • 🚃 JR三ノ宮駅より徒歩12分
  • 📱 Instagram: @co_les_donut

standingbar ZEN

  • 📍 兵庫県神戸市中央区雲井通3-7-11
  • 🚃 JR三ノ宮駅より徒歩5分
  • 📱 Instagram: @standingbar_zen

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取材協力: 美豚

※ 本記事にはアフィリエイト広告が含まれています。

Naoki Nakayama

Published on

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