神戸・トアウエストとはどんな場所?明治の外国人居留地に起源を持つ街の歴史、三宮・元町からのアクセス、地元民が通うおすすめスポットまでを完全解説。
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Author
Naoki Nakayama
ストーリーや経験を思索的な文章で共有することに情熱を注いでいます。
三宮と元町のちょうど中間、ビルの隙間に小さな店が静かに灯りをともす一角がある。観光マップにはほぼ載らないけれど、神戸を知る人ほど足を向けるエリア——それがトアウエストだ。
この記事では、トアウエストとはどんな場所かをゼロから説明したうえで、地元目線の飲食店ガイドまでをまとめて紹介します。「神戸に行くんだけど、三宮や元町以外で面白い場所ある?」という人にこそ読んでほしい。
トアウエストとは?基本情報
トアウエスト(Tor West) は、神戸市中央区北長狭通3丁目付近を指す通称エリア名です。
三ノ宮駅と元町駅の中間に位置し、「トアロード(Tor Road)」と呼ばれる全長約1kmの坂道の西側に広がっていることからこの名がつきました。東側は「トアイースト」として知られます。
一言で言えば、神戸のローカル感が凝縮された、大人のディープスポット。観光客より地元の常連が多く、個性的な飲食店・セレクトショップ・雑貨屋が路地に点在しています。

トアロード・トアウエストの歴史
明治の外国人が作った「生活道路」
トアウエストのルーツは、1868年(慶応3年)の神戸開港にまでさかのぼります。
開港により神戸外国人居留地が設けられると、イギリス・アメリカ・ドイツ・フランスなど各国から多くの外国人が移住。彼らは居留地(現・旧居留地エリア)を職場とし、北野(現・北野異人館街)を住居としていました。
その職場と家をつなぐ通勤路として自然発生的に使われるようになったのが、当時「三宮筋通」と呼ばれていた道——現在のトアロードです。南から北へ高低差約43mを登るゆるやかな坂道で、外国人たちが行き交うこの道沿いにはベーカリー・オートクチュール・靴屋・宝飾店・西欧レストランが次々と立ち並び、神戸随一の「ハイカラ通り」として発展していきました。
「トア(Tor)」という名前の由来は3説ある
「トア」という名称の由来には、実は3つの説が存在します。
① トアホテル由来説(最有力)
1908年(明治41年)、イギリスを中心とする外国資本が出資して坂の北端に一流ホテル「トアホテル(Tor Hotel)」を開業。この道が「Tor Hotel Road(トアホテルロード)」と呼ばれるようになり、やがて「Tor Road」に短縮されたとされます。このホテルは1950年の失火で焼失し、現在その跡地には「神戸外国倶楽部」が建っています。
② 英語説
英語の「tor」は「岩山・小山」を意味する古語。トアホテルの紹介記事にも「トアは英国の古語にて小山或いは山上の家を意味する」と記載があり、坂の上に建つホテルのイメージとも合致します。
③ ドイツ語説
「門」を意味するドイツ語「Tor(トア)」から、神戸を世界への門戸とする意味が込められているという説。発足当初のトアホテルにはドイツ人取締役が広報を担当していたことも、この説を後押ししています。
なお、トアホテルは外国人向けには「Tor」、日本人向けには「東亜(トーア)」という名称を使い分けていたという記録も残っています。
現在のトアウエスト
時代を経た現在、トアウエストは神戸の個性的な文化が発酵し続ける場所として地元に根づいています。
かつての洋館建築の面影を残しながら、路地にはクラフトビール専門店、日本酒バー、燻製料理の専門店など、一筋縄ではいかない飲食店が息づいています。三宮や元町の大通りとは違う、もっとひそやかで本物感のある神戸がここにあります。
トアウエストってどこ?
三宮と元町の間、北長狭通3丁目周辺のエリアです。 駅からも近く、どこからでもアクセスしやすい場所にあります。
神戸市中央区北長狭通3丁目周辺
| 最寄り駅 | 徒歩 |
|---|---|
| JR・阪神「元町駅」 | 約3分 |
| 阪急「神戸三宮駅」 | 約7分 |
| 神戸市営地下鉄「旧居留地・大丸前駅」 | 約5分 |
三宮から行くなら北長狭通をまっすぐ西へ歩くのが一番わかりやすいルートです。トアロードを越えたあたりから、雰囲気がぐっと落ち着いてきます。
エリアの歩き方・雰囲気
三宮・元町とどう違う?
| 三宮 | 元町 | トアウエスト | |
|---|---|---|---|
| 雰囲気 | 繁華街・駅前 | 商店街・中華街 | 路地裏・隠れ家 |
| 客層 | 幅広い | 観光客〜地元 | 地元民・常連中心 |
| 夜の賑わい | にぎやか | 早めに閉まる店多め | 深夜まで営業の店あり |
| 店の規模 | 大型〜中型 | 中型 | 小規模・個人店中心 |
三宮が「表玄関」なら、トアウエストは「神戸の裏庭」といったイメージ。チェーン店はほとんどなく、オーナーの顔が見える店ばかりです。
昼と夜の顔
昼間は雑貨屋やセレクトショップが中心で、ゆったりした買い物エリアとして機能しています。夜になると飲食店が一斉に灯りをともし、はしご酒に最適な大人のエリアへと変貌します。
店同士の距離が近いので、2〜3軒はしご酒がこのエリアの楽しみ方のスタンダードです。
地元民が通う飲食店7選
2025年10月に開催されたエリア食べ歩きイベント「VAMOS! TORWEST」(27店舗参加)で実際に訪れた中から、特に印象に残った7軒を紹介します。
01 FRONT(078) カジュアルダイニング / 友達・グループ ¥4,000〜
02 ハレとケ クラフトビール / ちょい飲み・デート ¥2,000〜
03 サムズ バーベキュー アメリカンBBQ / ガッツリ肉・グループ ¥3,000〜
04 japo 國酒ニ炭火 日本酒×炭火 / デート・接待 ¥4,000〜
05 Smokun 燻製料理 / 一人飲み・通好み ¥3,000〜
06 イロハニリベロ エスニック&串揚げ / ちょい飲み・立ち飲み ¥3,000〜
07 ウラオレギョ 餃子×日本酒 / ちょい飲み・一人飲み ¥2,000〜
周辺スポットとの組み合わせ
トアウエストは単体でも楽しめますが、周辺エリアと組み合わせると神戸観光がより充実します。
旧居留地 — 徒歩3分。レトロな洋館建築が立ち並ぶエリア。トアロードの歴史的ルーツでもあるので、歩いてみると街の成り立ちが実感できます。
南京町(中華街) — 徒歩5分。ランチや食べ歩きに。トアウエストで夜を過ごす前に立ち寄るのも◎。
まとめ
トアウエストは、明治の外国人居留地という歴史的なルーツを持ちながら、今は地元の人たちの日常の飲食の場として生きている。そのギャップがこのエリアの面白さです。
神戸に来たら、にぎやかな三宮から少し足を伸ばして、トアウエストの路地をゆっくり歩いてみてください。
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